樹木希林さん出演作の映画を観た感想
みなさん、こんばんは!
『美学の時間』管理人の鈴です。
今日は待ちに待った土曜日!
7時に起床し、お洗濯、お部屋のお掃除、そしてコーヒーで一服。
とても清々しい気持ちの良い朝を迎えることが出来ました。
今日1日、何も予定がなかったので
1人で映画でも観に行こうということで、お昼すぎに出発!
日日是好日
あらすじ
エッセイスト森下典子が約25年にわたり通った茶道教室での日々をつづり人気を集めたエッセイ「日日是好日『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を、黒木華主演、樹木希林、多部未華子の共演で映画化。
「本当にやりたいこと」を見つけられず大学生活を送っていた20歳の典子は、
タダモノではないと噂の「武田のおばさん」が茶道教室の先生であることを聞かされる。
母からお茶を習うことを勧められた典子は気のない返事をしていたが、
お茶を習うことに乗り気になったいとこの美智子に誘われるがまま、流されるように茶道教室に通い出す。
見たことも聞いたこともない「決まりごと」だらけのお茶の世界に触れた典子は、
それから20数年にわたり武田先生の下に通うこととなり、就職、失恋、大切な人の死などを経験し、
お茶や人生における大事なことに気がついていく。
主人公の典子役を黒木、いとこの美智子役を多部がそれぞれ演じ、本作公開前の2018年9月に他界した樹木が武田先生役を演じた。
監督は「さよなら渓谷」「まほろ駅前多田便利軒」などの大森立嗣。
感想
映画の内容はもちろんですが、タイトルもしっかりと映画を生かしてくれていると感じました。
映画のポスターやタイトルは、見るまでの期待を膨らませてくれるツールのひとつではありますが、
そこまで気を使って表現する気持ちのいい映画だと思います。
この映画は、1本まるまる使ってタイトルを表現してくれていると感じました。
映画でも出てきますが、タイトルの意味は何とな〜く分かります。
何とな〜く生活する、何とな〜く茶道を始める。そんな所から物語は始まるのです。
茶道の深さは何となく分かっているつもりです。
所作がとても細かく繊細…という茶道の基本をしっかりと抑え、茶道を知らない人にも伝わりやすいストーリーになっています。
物語の軸にあるのはあくまでも黒木華演じる典子の人生。
茶道に入門し茶道を知っていく中で、人生の様々な事柄と向き合い、凛々しくたくましく、美しく成長していく様が描かれています。
小さな変化に気づくことが大切!ということを改めて実感させていただいた映画でした。
とにかく、樹木希林さんの演技は素晴らしかった。
これが遺作のひとつになってしまったことが信じられないほどに生き生きとした演技だったと思います。
監 督:大森立嗣
原 作:森下典子
脚 本:大森立嗣
プロデューサー:吉村知己/金井隆治
キャスト:黒木華・典子 /樹木希林・武田先生 /多部未華子・美智子 /原田麻由・田所/ 川村紗也・早苗
製作年:2018年
製作国:日本
配 給:東京テアトル、ヨアケ
受賞歴:第41回日本アカデミー賞(2019年)
モリのいる場所
あらすじ
山崎努と樹木希林という、ともに日本映画界を代表するベテランが初共演を果たし、伝説の画家・熊谷守一夫妻を演じた人間ドラマ。
30年間もの間、ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を見つめ描き続けたという熊谷守一=モリのエピソードをベースに、
晩年のある1日を、「モヒカン故郷に帰る」「横道世之介」の沖田修一監督がフィクションとしてユーモラスに描いていく。
昭和49年の東京・池袋。守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていた。
それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。
そして妻の秀子との2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れる。
守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす佐伯さん夫婦、近所の人々、
さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。
感想
日本を代表する画家、熊谷守一画伯の晩年の一日の物語をコミカルに描いた作品です。
先の昭和天皇陛下も美術館で熊谷守一の作品を観賞。
文化勲章を受章すると来客が増えるので生活が乱される事が迷惑であるとの理由で文化勲章の受章を辞退してしまう程の、変人天才芸術家です。
30年以上も自宅から出た事すら無いと言う世間の一般のしがらみを全く気にする事無く、自由に画を描く為にだけ生きた画家の晩年の物語です。
モリ独特の世界感、ほとんどの時間が庭の虫などを観察する1日、観ているこちらまで何だかとても穏やかで優しい気持ちになります。
モリは明治の初期の生まれで、今から40年以上も前に亡くなっています。この映画の時代は今から半世紀近くも前の物語だと思います。
モリの広い庭には多くの木々が生い茂り、森のように青々と木々が生息し、虫や野鳥の生態を30年以上に渡り観察し続ける事で、
独自の世界感を持ち、作品を描き続ける孤高の天才の生き様には心を洗われるような素晴らしさがあります。
半世紀も前の事なので、今とは比較にならない程のんびりとしていた時代の筈です。
モリを取材しに来たフォトグラファーの若い助手は、最初は変人としか感じなかった守一の行動を観察するうちに、その素晴らしさに魅了されて続けて取材をしていく様になるのだった。その様子が何だか私にも分かるような気がしました。
とにかく、山崎努さんと樹木希林さんが2人並んで座っているだけで、2人とも本当に数十年を共に生きて来た夫婦の様にみえてしまいました。
モリと妻の平凡な生活を軸に描かれる日常が、とても豊かでした。
監 督:沖田修一
脚 本:沖田修一
製 作:新井重人 /川城和実 /片岡尚
キャスト:山崎努・熊谷守一 /樹木希林・秀子 /加瀬亮・藤田武 /吉村界人・鹿島公平/ 光石研・朝比奈
製作年:2018年
製作国:日本
配 給:日活